■ プロフィール |
木村勝男
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NPO法人BS経営研究所 代表理事
19歳で阪神土木工業(後の阪神ガス工事)を創業。その後、阪神観光、関西ホーム、エイエムエスを設立。日創研大阪経営研究会会長、日創研経営研究会本部副会長を歴任。現在、アーバンベネフィット株式会社取締役会長。07年3月に大阪府立大学大学院経済学研究科卒業、MBAを取得。「BS経営」の普及と実践起業家塾設立に向け奔走中。
【著書】
『逆境に勝る師なし』(致知出版社)『BS経営のススメ』『放牧経営』(幻冬舎メディアコンサルティング)
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今回、対談して頂いたのは、NPO法人BS経営研究所 代表理事 木村勝男さま。
「BS経営のススメ」「放牧経営」などの著者として有名な方である。
木村会長とは、前回、対談をして頂いた、初代「ぱちんこ情熱リーグ」理事長の木山修助さんのご紹介で、お目にかかり、いまでは一信者として、私も「BS経営塾」に参加させて頂いている。
多忙な木村会長に、対談のお願いをしたところ、快く引き受けていただき、ラッキーにも
今回の対談となった。
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木村: |
今日は、本当にありがとうございます。
尊敬する木村会長とお話しできると思うと緊張します。
著書である「逆境にまさる師なし」にも書かれているように、激動の半生を歩まれてらっしゃったそうですが、改めて教えて頂けますか? |
代表
理事: |
14歳で当時37歳の父を亡くして、17歳の時、一家の大黒柱として、家族を支えるため、島根から大阪に移ってきたんだ。5人兄弟の長男だったからね。
初めは建設作業員をやっていて、その経験をいかして、配管工やったり、不動産をやったり・・・、とくかく食べるために、イロイロなことをやってきたよ。
その甲斐あって24、5歳の時は、時代の後押しもあって順調だったよ。 |
木村: |
若い頃は、大変なこともあったのではないですか? |
代表
理事: |
24、5歳の時は、苦労だとも感じていなかったね。若い時は、がむしゃらにやるだけだったから。
特に私の場合、「長男」として家族を食べさせないといけなかったのでね。世の中、高度成長期で仕事も順調に行き、それなりに儲かってきた時、合法的なマイナス、つまり節税効果には、不動産を買うことがいいと教えられたんだ。で、不動産を買うことにしたら、土地価格が上がることにビックリ、そして、あれよ、あれよと言う間に、莫大な含み資産を持つことになった。
しかし、バブル崩壊が訪れ、土地の価値は暴落し、アッと言う間に230億の負債を抱えてしまい、奈落の底に。それは、僕が50才のときだった。本当に自殺も考えた時期だった。そんな時に、日創研の講義で、今の私の師である田舞さんにお会いしたんだ。
その出会いから、初めて「経営」と言うものを知ったんだ。いままでの自分の経営は、一体なんだったのか?と思い知らされた瞬間だった。
そして現在、皆さんに推奨している「BS経営」のお陰で、立ち直り今に至っている。 |
木村: |
私も今、参加させて頂いている「BS経営塾」主宰のきっかけとなったわけですね。 |
代表
理事: |
そう、「BS経営塾」。バブルの時代は、みんなドンブリ勘定で、儲けた分は、社員や家族と使って、また次の日から稼ぐというのが普通だった。僕の経営は、「KKDD」だったんだ。「KKDD」と言うのは、「勘」「経験」「度胸」「どんぶり勘定」。中小企業の社長には、多いかもしれない。実際、僕もいままで、決算書を見たこともなかった、いや見ているけど、まったく理解していなかった。
一般的には、P/L経営が多いと言うこと。売上ばかりに目が行っていて、売上を上げるために多く出店したり規模の拡大しようとしている。利益の出ない店ばかり・・・それで失敗をしてしまう。例えて言うなら、P/L経営は、ビルの外観、B/Sはビルの土台。土台がしっかり安定していないと、どんなにきれいでカッコいいビルも崩壊する。
まずは、しっかりとしたB/Sを考えて、それに見合うP/Lにしていく事が大切なんだ。数字ではなくバランスが重要なんだ。いろいろリサーチすると、おもしろいことにP/L経営者は、派手になり、BS経営者は地味であることがわかった。経営おいては自己資本が重要、それが会社の貯金な訳だから、B/Sをみることで、本当にバランスの取れた経営ができる。それが判ったのは、50才を越えてからだった。そこから、BS経営を実践していったんだ。 |
代表
理事: |
BS経営をはじめ、まず手掛けたのは目標を持つこと。 よく経営者が、今期売上目標、○○億円、とか掲げるなど、実態の伴わない目標は、何の意味もない。それで、僕は「あのトヨタを抜く」を、社員に対しての目標にしたんだ。
当初、皆「えーっ!?」て、感じだったが、全体ではなく一人当りの営業利益や給与で超えることを目標にしたんだ。「そんなぁ」と思っていた目標は、「そうかぁ、それならできる!」と思える目標になった。それで、実際に超えることが出来て、プライドと自信に繋がっていった。「強小、弱大に勝る」と言うからね。
それからは、みごとに社員一同、考えが変わり、人を増やそうとしない、そして、何をすれば、何を考えれば、いいかを1人ひとりが考えるようになった。つまり、経営者の感覚になっていった。だから、僕は従業員とは呼ばない、主業員、経営社員と呼んでいる。全く、彼らには何も言わないよ、皆それぞれでやっている。放任している。 |
木村: |
それが、著書にもある「放牧経営」なんですね。
判りますが、なかなか、これが、できない。どうしても、任せきれないことが多いです。 |
代表
理事: |
「放牧経営」で必要なことは「信頼」なんだ。中の人間に信用されずに、外のお客様に信用してもらえるわけがない。共通分母は「信頼」、それがなかったらダメ。 |
木村: |
なるほど。勉強になります。
話は変わりますが、会長が「本物はつづく、つづければ本物になる」とおっしゃっていますが、この言葉にどんな想いを込められてられるんですか? |
代表
理事: |
私は、何かを始めるとき、具体的に1,000回は続けると決めているんだ。「本を1,000冊読む」「英語を1,000回レッスンする」とか。何でも続けることで、それが習慣になって、本物になっていく。「坐禅を1,000回」「写経を1,000回」それに「1,000回登山」なんてこともやっている。そう言った目標を具体的に持つことで、目標が自分を律してくれる。
僕は「本物」になるためには、勉強することしかないと思っている。学ぶ人間だけが、本物に近づいていけると思っている。21世紀は、「学習する集団」「勉強する企業」しか残らないと思う。
僕は「生涯チャレンジャー」「生涯青春」「生涯勉強」だと、思っている。
いまが、青春かな(笑)。 |
木村: |
具体的な目標を持つことって難しいですよね?
私も、経営理念であるとか、年度方針などを考えて、社員さんに発表しているんですが、理念に対し自分自身が心の底から燃えているのか? 理念に基づいた生き方、行動になっているのか? 本当にこの方針でよいのか?と自問自答してしまいます。 |
代表
理事: |
日本人は、とても目標達成能力が高いけど、目標の設定能力が低いと思う。
よくビジョンや理念はどうすれば?という方が多い。そんな時、見つけるお手伝いをしてあげる。例えば、私が相談を受けた方に、「退職金がいくら欲しい?」と聞いたとき、「3,000万」と答えた方がいて。でも、「老後何年いきる?」「どんな風に過ごす」「それでたりる?」となると「退職金は1億欲しい」となり、「その為に自己資本2億以上になる」「5年後の利益は・・・」等と具体的になっていったんだ。そして、真剣に考えるようになる。
どんな風になりたいか具体的なイメージを持つことで、具体的なビジョンは描けるんだ。目標を持って具体的にイメージをしていけば、その通りの人生にしかならないんだがね。 |
木村: |
いろいろとお話しをして頂きましたが、私も含め、今の中小企業の経営者に、何かアドバイスするとしたら、どんなことでしょう? |
代表
理事:
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会社とはね、「人」「モノ」「カネ」「市場」「情報」この5つが経営資源なんだ。この経営資源をいかに集め、付加価値をつくることが経営。おのずと、そこから「ビジョン」が生まれる。そして、その「ビジョン」が戦略をつくるんだ。ただ、頭だけでなく、「信頼」と「誠実」を忘れず、腹で経営してほしい。
「成功のカギ」を知っていますか?
1、成功したら儲かる
2、失敗したら経験が儲かる
3、何もしなかったら、なにも儲からん。だから、やらなきゃ始まらない。
こうして「やってみなわからん、やったことしかのこらん」と色紙にいつも書くんだ、
恐れず、やってみないと。これからも、頑張ってください。 |
木村: |
ありがとうございました。
貴重なお話しを伺え、本当に感激です。
これからも木村会長のBS経営を会社に落とし込み、強い会社を創っていきます。
ありがとうございました。 |
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