アルドーレ代表 木村友彦が日頃、考えていることや思うことを独自の目線で語ります。

2007/12/09
民事再生法認可
今年、業界を一番震撼させたニュース、それは今年4月の業界売上第6位の福島県のダイエーの民事再生法適用の申請。先日、東京地裁でその民事再生の申し立てが認可されました。ダイエーは既に事業証券化されていた16店舗を切り離し、不採算店舗7店舗を閉鎖、残る18店舗を継続営業して再生に乗り出すようです。

この4月のダイエーの民事再生法申請が業界へ与えたダメージは計り知れないものがあります。特に金融機関はこれに敏感に反応し、「あのダイエーが破綻するくらいだ。もうこの業界は終わり。」とばかりに一斉に業界から手を引き出しました。

そして今回の民事再生法の認可。この認可について金融機関がどのように評価しているのか気になるところです。バブル崩壊後、再生型の破産手段として平成12年に施行された民事再生法、当初は一部大手やゼネコン、そしてゴルフ場がこぞって民事再生を活用しました。一時はゴルフ場再生法と呼ばれたくらいです。

自分は個人的に今回のダイエーの民事再生法は認可されないものと思っていました。基本的には債権者の同意によって認可される法律ですが、社会的見地から見るとパチンコ店の民事再生は難しいと考えていました。基本的には借金棒引きです。つまり借金を棒引きしてまでパチンコ経営企業を再生させる必要があるのかという概念が社会にはあると考えていたのです。もちろん今回のケースは債権者が破産させるよりも再生させたほうが回収額が向上すると考えての判断でしょうが。。

このダイエーの認可を受けて業界内の大手数社が民事再生の適用に乗り出すとの噂があります。「ダイエーが認可されたんだからウチも・・・」との判断です。一時のゴルフ場のようにパチンコ経営企業からも民事再生が連発すると思うと怖いです。それによって金融機関によるパチンコ業界への融資は完全に凍結するでしょう。商いをする者にとって金融機関は切っても切れないパートナーです。その関係は崩壊寸前です。

一時は新たな資金調達方法として大手が活用した事業の証券化や私募債などの融通手段。我が社がこれら一連のニュースから学ぶべきことは・・・・
「身の丈以上の資金調達はしない」
無謀な財務戦略は会社の崩壊を招きます。

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