先月26日の「業界短観」でも書きましたが、パチンコ業界は非常に厳しい環境に置かれており、年末から来年にかけてもう一度廃業する店舗が加速すると言及しました。
業界関係者から「その根拠は?」、「自分は違う考え方をしている」など反響が大きかったので、更に掘り下げて考えてみることにします。
まずは遊技台の動向です。遊技台についてはホールだけではどうしようもないこともあり、他力本願的な面もあるのですが、やはり遊技台動向はホール経営において最重要項目であることには変わりはありません。
昨年は低貸し玉営業や北斗や牙狼に代表されるMAXタイプが4号機撤去によるヘビーユーザーにも受け入れられ、一時的にホールの業績は向上しました。パチスロ4号機撤去による業績ダウンもようやく底を打った感は確かにありました。
しかし、低貸し玉営業を取り入れるホールが弱小店舗だけではなく、高稼働店にも順次導入されていくことで競争は激化、本来のメリットであった「お客様の負担を減らす1円パチンコで稼動を向上させ、目減りした売上を新台入替費用を圧縮することで営業利益を確保する」という法則が崩れつつあります。当社も低貸し玉営業を地域最速で導入し、オンリーワンに近い状況の時と比較すると、稼動で1割ダウン、利益では2割近いダウンを余儀なくされています。この傾向は更に強くなるでしょう。
またMAXタイプのシェアを昨年末からホールが増やし続けることで、需要と供給のバランスが崩れ、今年になってからはMAXタイプの稼動は減少傾向、極めつけは3月の慶次2の想定外の業績不振によってMAXタイプは市場から消えつつあります。4月には期待のエヴァンゲリオンが市場から受け入れられなかったのも痛手です。もう焼き直し機種に顧客もうんざりしているのでしょう。また今年になってから京楽機種での大ヒット作がないのもホール内でのバランスが崩れている要因です。
現状は昔ほどの神通力はないですが、海シリーズと甘デジに頼らざるを得ない営業に陥っています。高稼働のホールは海とデジハネコーナーが強いはずです。
9月には各メーカーから話題性のあるコンテンツを引っさげた遊技台が市場投入されますが、業界全体の活性化にまでは及ばないでしょう。それは少なくとも年内までは継続すると思います。それが長引けば長引くほど破綻す